今回は子どものための日本語学習教科書「こどものにほんご」の紹介したいと思います。
目次
外国人学習者の中で、「子どもに教えてもらえませんか」と言われたことはありませんか。
昨今外国人が増加する中、子どもへの日本語教育も需要が高まってきているように思います。
そこで今回は日本の小学校に通う外国人児童におすすめの教科書「こどものにほんご」を紹介したいと思います。
「こどものにほんご」は読み書きを必要とする外国人児童のための初級日本語教科書で、「こどものにほんご①」「こどものにほんご②」の2冊で構成されています。
「こどものにほんご①」では小学校の1学期の行事に沿った内容で名詞文、形容詞文、動詞文の丁寧体(敬体)の現在と過去、名詞文、形容詞文、動詞文現在の普通体(常態)までを学べるようになっています。また漢字は小学校1年生の80字を学ぶことをめざします。
「こどものにほんご②」では2学期、3学期の小学校の行事に沿った内容でテ形、タ形、依頼、以降、可能、連体修飾、仮定、受身、使役、敬語などを学べるようになっています。また漢字は小学校2年生の160字を学ぶことをめざします。
この本のおすすめする理由は2つあります。以下、おすすめする理由を紹介したいと思います。
1つ目は、同じく初級の教科書「みんなの日本語」と進み方や内容が似ているので、「みんなの日本語」を使ったことのある先生にとって使いやすい教科書だと思った点です。
子どもに教えるとなると、「準備が大変そう」とか「教科書の進み方に沿った教案を1から作り直す必要があるんじゃないの?」と考える先生も多いと思います。
確かに、子どもは大人より飽きやすいですし、より楽しく授業をしなければならない分、授業づくりに工夫は必要だと思います。
でも、教える内容に関してはさほど変わらないと思います。
そういった点で、「みんなの日本語」と進み方や内容が似ている分、いつも通りの教え方+工夫をすればいいので、非常に使いやすい教科書だと思います。
2つ目は、日本の小学校で使う言葉が多く含まれているという点です。
本書は外国人の子ども向けというよりも「日本の小学校に通う外国人の子ども向け」の教科書だと思います。
(海外の子どもや、インターナショナルスクールに通う子どもには私は「JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE」を使っています。)
日本の小学校に通う外国人児童にとって、日本の学校独特の言葉(例えば「上履き」とか「保健室」、「給食」、「分度器」などの言葉)を含んだ内容なので、学習と日常生活がすぐ結びつくんじゃないかと思います。
逆に先ほども言いましたが、日本の小学校に通っていない児童にとっては、そのような言葉は日常生活で使わないし、「給食」などの言葉の文化的背景から教えなければならないので、私は違う教科書「JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE」を使っています。
3つ目は、文型(構造)シラバスですが、場面シラバスも取り入れている点です。
1つ目でも言いましたが、内容が「みんなの日本語」と似ていて、基本的には文型(構造)シラバスになっています。
ただ、目次を見てもらえばわかるように、学習者が遭遇しやすい場面で学習が進んでいく「場面シラバス」も取り入れています。
「こどものにほんご①」では小学校の1学期の行事に沿った内容で、「こどものにほんご②」では2・3学期の行事に沿った内容なので、日本の学校に通う児童にとっては本当におすすめできる教科書です!
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画像引用元:こどものにほんご
外国で日本語教師をしています。出版社が同じためか、みんなの日本語と内容はほぼ同じでした。
子供用なので、単語が違うだけで、進み方は全く一緒です。高校生以上にはみんなの日本語を使用していますが、小学高学年や中学生にはまだ早いので、この本が適していると思います。
じぇろただ、他の方もおっしゃっていましたが、少なくともひらがなが分からないと、少し大変だと思います。(みんなの日本語も同じなのですが)ですから、私は最初の方の課だけ、ローマ字のカナをふってあるプリントを別に用意しています。
若い子だと、2~3回の授業でひらがなをマスターしてしまうので、特に問題はないと思います。本自体は、いい構成ですが、例えば中学生後半の生徒には、ギリギリの内容だと思います。
じぇろ
みんなの日本語と内容はほぼ同じ
ベースとしてはおそらく「みんなの日本語」かと思いました。自習ではなく、教科書なので教える人が必要です。
最初に会話、文法事項、それから練習問題です。絵はプロの方なのか、こなれた感じ。ギラギラのアニメ絵や萌え絵ではありません。中国語と英語の単語集付き。
わたしはこれで中国とフィリピン、ネパールのお子さんを教えました。
この2は全く日本語を知らなかった1巻から、ほんの少しできるようになった程度。まだN5程度です。日本語を学ぶと同時に、日本特有の学校文化もまなべるようになっています。
もう少し詳しい解説があると教える方にも便利かと。
カスタマー
小学生が教わるための教科書
今回は「こどものにほんご」を紹介しました。
日本の学校に通っている外国人児童に教えるという方は、ぜひチェックしてみてください。
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